香取声写真展「情け島」写真に込められた思いとは。
2021.01.10 vol.28
茄子の揚げ浸し
前回の動画
写真家香取声さん写真展「情け島」インタビュー【写真家が写す八丈島の姿】 - YouTube
に引き続き、今回は写真一枚一枚に込められた思いをお話し頂きました。
私が好きな4枚と、香取さんが特別な思いを持つ3枚です。
これ私の母校でして、私が着ていたユニフォームを今の子達も着ているのかと考えると感慨深いものがありますね。
八丈島は何故かサッカーが盛んなのです。
八丈島正月の過し方。人混み知らずの初詣。正月元旦サッカー。 - YouTube
正月には毎年三ヶ日で中学生から50代までが10チーム以上作ってサッカー大会が行われます。
島民だけではなくて、都内のチームが参加することもあります。
他にも毎週土曜日の夜に社会人リーグがありました。(今は規模が結構小さくなってしまっているようです)
この少年は今でも関東第一高校という強豪校で頑張っているそうです。
八丈魂で頑張って頂きたいですね。
よく見る田舎の風景です。
地方はやはり人口が減って店を閉めてしまうことが多くどうしようもないのかもしれませんが、やはり地元にこんなお店が増えると寂しいですよね。
写真家の方からするとこのような写真はあまり進んで載せたくないそうです。
このような風景は自然と味が出るし、地元の方の思い等も考えてのことだと思います。
廃ホテルの写真です。
バブル時代に「日本のハワイ」と呼ばれていた程、当時は人気の観光地でした。
ただそれも長くは続かず、2005年に廃業してしまいました。
他にも大きな廃ホテルが一つあって、どちらも取り壊しの手間や費用の関係で放置されています。
バブルの時代を感じるホテルです。
昔は人口が多い分祭りも栄えていましたが、どんどん祭りの来場者が減ってしまっています。
それでも島で育つ子供達のために、祭りを守り続ける男の後ろ姿。
私も島のためにもっと貢献していきたいと感じました。
ここから3枚は香取さんが選んだ写真です。
香取さんが小学生の頃の八丈島の記憶に近かった風景。
理想の故郷像に重なったそうです。
幼少期からの時間の経過と、記憶を掘り起こす作業ということを表現するために、写真展ではこんな工夫がされておりました。
香取さん本当の故郷である町田の山に埋めて、時間が経ってから掘り起こしたものを展示されていました。
そんな思い入れのある一枚です。
戦争時代に米軍と戦っていた日本。
八丈島には人間魚雷の回天が配備されておりました。
写真の白い縦線は、水が滴っているものです。
この音を録音して、会場のBGMとして流されていました。
八丈島と東京を繋ぐ客船「橘丸」の甲板から撮影した、遠ざかる八丈島の写真です。
心理的な故郷から、本当の故郷へ帰っていくという不思議な感覚で撮影したそうです。
『流人が船から八丈島を見た時に、流されたという境遇も相まって鬼島だと感じたが、着いてみれば島民が温かくて情け島だった』
という八丈島の民謡「ショメ節」にある流人の思いも投影されています。
以上、香取さんの写真に込められた思いでした。
八丈島の姿を写してくれた香取声さん。
本当にありがとう。
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