「Captain Fantastic-はじまりへの旅」映画レビュー
2020.05.24 vol.23
ししゃも
伊達「庭先に蜂が飛んでくるんですよ。蜂です。しちじゃなくて。巣があるんじゃないかなと思って。せじゃないですよ。巣です。だから駆除してもらいたくて。それ痴女でしょ。」
https://www.youtube.com/watch?v=Gpy-8na4zSQ&t=404s
おすすめ映画②
「Captain Fantastic-はじまりへの旅」
★★★★★
◯あらすじ
資本主義と現代社会に対して疑問を強く持っているベンとベンの妻レスリーは、6人の子供達と共に森の中で生活している。子供が学校に行かない代わりにたくさんの本を読ませることによって、子供達に知識を学ばせた。娯楽やメディアと全く関わることのない生活によって、世間一般の人々が持つ慣習や常識が身につかないまま成長して行くが、子供達は家族が大好きでなんの疑いも持たないまま生活を続けていた。
ただ、母親の死によって歯車が少しずつ狂い始める。家族総出で葬式に向かっていた。
長男は初めて話した同世代の女子とキスをして、性の喜びを知ってしまう。次男はクリスマスにキリストを祝わない家族に疑問を持ち始める。
元々森での生活に大反対だった、レスリーの父親が孫を預かると言い出す。
ベンは悩む。森での生活を続けることが本当に子供達のためになるのか。ただの自己満足なのか。
結局選んだのは、子供達をレスリーの父親に預けるという苦渋の決断。
行き場のない怒り、悔い、愛情が溢れ出して、叫びながら一人の車を走らせていた。伸ばしていた髭を剃ってこれからのことを考えているところに、聞き覚えのある声が。
妻レスリーの「火葬の時は歌と踊りで祝って、灰はトイレに流して欲しい」という遺言は果たせるのか。
◯感想(ネタバレ有。)
中盤のもどかしさがとても辛い。
ベンとレスリーの家族に対する愛情は本物だし、長男が超難関大学に全て合格できるレベルで学力もついていて、本人達が満足しているのだからそれでいいと思っていた。
ただそれは子供達が社会を知らないからで、長男や次男のように普通の社会を知ってしまった時は、子供達に選択の自由が与えられるのが理想ではあるだろう。
ベンもレスリーの父親も子供達も、誰も間違っていない。社会的マイノリティだからという理由だけで、ベンが退かなければいけない現実。
ただ、ベンが一人でレスリーの父親の家を飛び出した時に子供達がついてきたことによって、ベンの愛情が間違っていなかったことの証明となった。
一番ベンに反抗していた次男の「Shaved your face」のセリフは、涙なしに見られない。
頑固な穿った思想をも覆す家族愛を感じてください。
ししゃも