水曜どうでしょう新作レビュー
2020.06.08 vol.24
パエリゾット
三か条
一つ。酒を飲むべからず
二つ。敬語を使うべし
三つ。新企画をすべし
水曜どうでしょうの新作を遅ればせながら見てみた。
高校生からのファンで、カブ旅したいねと語り合っていたのが懐かしい。
去年にローソンで広告を見つけてからとても楽しみにしていたため、期待値はとても高かった。
◯序盤
正直、第二夜までのグダグダ感は期待を裏切られた気持ちになった。
ロケ中でのネガティブ発言や口喧嘩は水曜どうでしょうの代名詞と言っても良いほど、過去作品ではメインファクターの一つだった。
ただ今回は、「迷走している」という藤村Dの発言がただの逃げの発言にしか聞こえない程のクオリティ。
同じ絵が続きダラダラと流れる展開、企画としてのゴールに対する不安、出演陣のロケに対するモチベーションすら低く感じてしまった。
◯中盤
企画が始まってしまえば大泉洋のトークセンスを中心に楽しめる展開になってはいったが、YouTuberのような無理のある枠組みをひしひしと感じる。
なんの脈絡もないモノマネのフリや、落とし穴のシーンなんかは本当にYouTubeを見ている感覚だった。
「ここを、キャンプ地とする」の名言シーンもそこまでの流れがあったからこそ、これほどまで視聴者の心に残る訳で、ただただ意味もなく行う料理とキャンプを良しとしてしまっていいのか。
こんな撮れ高をタレントに全投げするような番組だったろうか。(いや、ずっとそうだった気もする)
もちろん大泉洋は変わらない斜め上の言葉や行動で楽しませてくれるし、藤村Dのいびきやドローン撮影、エンディング等々、要所要所では水曜どうでしょうらしさも見られた。
それでも、過去作品の数々を見てきた視聴者の期待値は大幅に下回ってしまっていたはずだろう。
そして迎えた第10夜。最終夜一歩手前にも関わらず、一向に完成する様子が見えない。
まさか結局完成しなかったのか。はたまた今までの計10夜が大掛かりなフリになっているのか。
◯最終夜
途中で見るのを辞めなくて本当に良かったし、放送事故とすら感じていたことを心から謝罪したい。
大泉洋のいないまま進めた建築が、まさかこんな展開になっていたとは。
恐らくこのオチがなければ本当にボツにしていた可能性もあったと思う。
タレントとしては万能でなんでも出来てしまう天才な大泉洋。
しかしこと水曜どうでしょうにおいては、やはりこのやりたい放題やられるキャラクターが一番しっくりくるのである。
思えば、水曜どうでしょうこそが現代YouTuberの元祖であるといっても過言ではないだろう。
そんな水曜どうでしょうが現代に合わせて変革を試みているのだから、そこに意見を投じる権利なんてないのかもしれない。
本当に見て良かった。
ありがとう、水曜どうでしょう。
今回の企画がボツになった時のために撮った?旅企画もいつか発表されるようなので、期待に胸を膨らませて待ちたいと思う。
パエリゾット